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イチ公務員の日々

戦後の安全保障

 お久しぶりです!私もなかなかブログを更新できず、約5ヶ月ぶりの更新となってしまいました。フレディの日記にあったとおり、これからこのブログを盛り上げたいと思います。ドジな私ですが、よろしくお願いします!
 私がフレディと一緒に借りに言った本は、山口二郎氏の『戦後政治の崩壊―デモクラシーはどこへゆくか―』(岩波新書 2004年6月)です。少し硬い話になってしまうかもしれませんが、今日はこの本から自分が読み取ったことについてまとめたいと思います。
 
 山口氏は、日本における改憲(保守)VS護憲(革新)の対立・憲法9条の解釈の変遷・日米の関係・自衛隊の活動の拡大という視点から、戦後政治の過程で形成された「外交・安全保障」という一つの要素が崩壊したと指摘されている。
 戦後日本の「外交・安全保障」とは何であったのか。山口氏は「9条=安保」の体制であるという。日本は憲法解釈により「専守防衛」のもとに最小限度の武装をし、それで対応できない事態が起きた場合にアメリカに助けてもらうという体制のことだ。これは沖縄に多くの米軍基地を呼ぶことにもなるわけだが、日本の保守主義者(自民党)たちの、経済を復興してはやく独立を回復したいという思惑と重なった。軍隊整備ではなく、経済対策のためにお金をまわすことができるからである。このような事情のもと、戦後日本の「軽武装+経済中心」という路線ができあがった。
 この「外交・安全保障」路線の「崩壊」は、冷戦の終結による日本の「平和主義」と世界との関わり方の変化によってもたらされたとされる。冷戦中のアメリカ・ソ連両陣営による対立は、「超大国の権益追及」という性格をもっており、戦火を交えることになれば核戦争に発展するという危険があったため、日本の「憲法第九条下で紛争にはかかわりを持たないという姿勢は、正当性を持っていた」(p.41 ll.2~3)のである。それに対して、冷戦後の紛争は旧ユーゴスラビアやルワンダでの虐殺に代表されるように、「善と悪、正義と不正の対決」(p.41 l.5)という性格をもっていた。そこでは、日本が冷戦中にとっていたスタンスでは通用しなくなる。紛争における「悪」を排除するのが「平和」に繋がるのであり、紛争に関わらないことが「平和」ではなくなったからである。
 「崩壊」した後の日本の安全保障はどうであろうか。日米同盟を最重要視し、アフガン戦争やイラク戦争でも自衛隊はアメリカの味方として行動した。山口氏は、このような「米国追随絶対主義」は「あまりにもお粗末なもの」(p.62 l.9)であるとし、強く批判している。有事の際にアメリカは日本を守ってくれるという前提のもとに「思考停止状態」を続ける日本は、「アジアにおける孤立」というリスクをむしろ拡大することにつながっているという。
 
 この本を読んで、これからの日本の安全保障について真剣に考える必要があると思いました。次回は、これからの日本の安全保障のビジョンについて自分なりに考えてみたいと思います。繰り返しになりますが、これからよろしくお願いします!!

マスクド 

 
by sgakusei | 2007-10-27 12:01
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